
デザインワークショップを企画しました。これまで当事者でありながら自分でもちゃんと理解できていなかった決定ルールのオーバードライブを、他者ならびにアブダクションをキーワードに解き明かそうとする4日間の短期集中型デザインワークショップです。講師として、ASのパートナーである品川雅俊さん、若手建築家の板坂留五さん、ムトカの村山と、決定ルールのオーバードライブをよく知る(?)3人が努めます。B3以上の建築系学生であればどなたでも参加できます。みなさま奮ってご参加ください!
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他者からカタチをつくる
Form from the other
青木淳氏の論考『決定ルール、あるいはそのオーバードライブ』は多くの建築家に影響を与えました。カタチをつくる決定ルールは無根拠でいい、人間の活動内容(=ナカミ)を根拠としてカタチを導き出すべきではないという宣言は、それまでの凝り固まった我々の設計観を自由にしてくれましたし、つくることの純粋な喜びに改めて気づかせてくれました。
そして自律した決定ルールのオーバードライブにより、つくり手は自身の想像を超えた領域に足を踏み入れられるという主張からは設計行為における創造性の源として、設計者の自己の輪郭を超えた場所にある「他者」の存在の重要性が浮かび上がってきます。
「他者からカタチをつくる」[Form from the other]は、自己の外にある他者の存在に着目した設計を実践する演習ワークショップです。ここでは設計に他者的なるものを自身の思考プロセスに導入するいくつかの具体的な手法を用いて、論理的に導かれたものではない直感的で仮説的な「創造的飛躍」(creative leap)を伴う設計を展開し、新しい建築のカタチをつくります。
ワークショップでは、まず青木氏の論考の解説や創造的飛躍の概念、そしてその認知メカニズムと深い関係をもつ「アブダクション」(abduction)の理論等に関するミニレクチャーを行います。その後、用いる設計手法ごとにグループに分かれてその具体的な内容を説明します。その後、それぞれの設計手法を用いながら各自で課題に取り組み、2回のエスキスチェックと講評会を短期集中で行います。
ワークショップの過程では3人の建築家がみなさんをサポートします。私たちもこのワークショップでどのような結果、知見が得られるのかは全くの未知数です。だからこそみなさんとともに自己の想像の及ばない新しい領域を探究したいと考えていますし、この体験を積極的に楽しみたいと思っています。
参考文献
・青木淳 : 決定ルール、あるいはそのオーバードライブ, 原っぱと遊園地 建築にとってその場の質とは何か, 王国社, pp.66-84, 2004
・米盛裕二 : アブダクション, 勁草書房, 2007
[日程]
08/22(金) ガイダンス 13:00-17:00
08/26(火) エスキス① 13:00-17:00
08/29(月) エスキス② 13:00-17:00
09/02(火) 講評会 13:00-17:00
※上記日時すべて参加が条件になります
[場所]神奈川県横浜市金沢区六浦東1-50-1
関東学院大学金沢八景キャンパス5号館301スタジオ
[講師]
品川雅俊(AS)
板坂留五(RUI architects)
村山徹(関東学院大学/ムトカ建築事務所)
[募集人数]18名
※応募多数の場合は選考を行う可能性があります
[対象]建築系学生(B3-M2)
[参加費]無料
[応募締切]07/31(木)
※応募状況により締切を早めることがあります
[応募方法]下記からお申し込みください
https://docs.google.com/forms/d/1jPyB8g3t9IqtnbOK70FLRcyRftN7Q-A0cdCoaaAxTeE/edit
[主催]関東学院大学 建築・環境学部 建築・環境学科
[企画・運営]
村山徹(同上)
酒谷粋将(京都大学准教授・関東学院大学非常勤講師)
[協力]宮下莉子(関東学院大学大学院修士課程)
デザインワークショップ『他者からカタチをつくる[Form from the other]』を開催します
Date : 2025.6.30