「更新するベーシック」をキーコンセプトに掲げるファッションブランドWORLD BASICSの展示会場デザインである。イニシャルショップの提案を求められていたことから、ショップの計画のモックアップとして展示会場をデザインした。 昨今、ファッションブランドは専用の店舗を持つだけではなく、ポップアップストアなどの期間店舗やセレクトショップへのコーナー展開など販売形態は多岐に渡っている。 そこで、どの場所や販売形態でもブランドのアイデンティティを持ちうる1つのボックス(600×450×300)のみで構成する店舗を提案した。時期や販売形態に合わせて、ブランドスタッフ自らが、レンガを積み上げるようにさまざまな組み方をして、間仕切りや平台、カウンター、フィッティングルームまで、ショップを形成するすべてをつくりあげることができる、流動的インテリアの提案である。ボックスのジョイントはマグネットを使用している。パテと塗装で見えなくしたスチール部(皿ビス)にマグネットを取り付け、アルミの目地材をはめ込み、積み上げる仕組みとなっている。展示会場ではボックスと同サイズのダンボールを使用して架空のイニシャルショップをつくっている。

WORLD BASICS 2015 AW EXHIBITION

Date : 2015.3
Type : Exhibition Space
Location : Minato-ku, Tokyo
Floor : 300㎡
Photo : mtka
Press : japan-architects ブログ

3人家族のためのアトリエ併設住宅である。プランは、910モジュールを基本とした6,460mm×5,460mmの平面の真ん中に階段を置き、その片側に壁を設け部屋を分節する、という至極単純なものになっている。だが、ただそれだけでは退屈なものになるため、その平面を1階と2階でくるりと反転し、同じ2つの平面が上下にひねりをもって現れる構成とした。テクスチャーは、建売住宅で一般的に使われている物の使い方と扱い方を少し変えている。外壁は下見板調のサイディングは耐力壁を黄色、非耐力壁をグレーに張り分けし、正面左のコーナーだけ飛び出させる。屋根はFRP防水をパラペットの外側まで包む。窓は枠だけ隠れるようにガラスのサイズに合わせて内壁に穴を開ける。床のタイルカーペットは壁に反り上げる形で納める。仕上げに美術作家である施主がこれらのさまざまなきっかけを読み取り、色を入れていく。 こうした判断はすべて建売住宅の凡例の内側にある。そこに迷いや意図はない。だからあらゆる成り立ちに意味が付着しないある種の健やかさをもった家となっている。可笑しなものが心地よく氾濫し、おまけに周りを少しだけ元気づかせる、そんな「明るい」家である。

An atelier-cum-home built for the contemporary artist Keisuke Yamamoto of Tomio Koyama Gallery. The floor plans of the first floor and the second floor were merely reversed to achieve a simple composition. The bare space born out of such the layout became the canvas on which the owner painted artwork; he colored the walls and ceilings and furnished the furniture; and Yamamoto’s “happy house” was completed.

ペインターハウス / Painter house

Date : 2014.9
Type : House
Location : Sagamihara, Kanagawa
Floor : 70.56㎡
Contractor : JOW corporation
Photo : Shinkenchikusha
Press : 新建築住宅特集 2015年6月号, art4d No.221, LiVES vol.79

母娘のための別邸である。敷地は南北に長く北側前面道路から1.2m上がった場所で、北側は向かいの家の生垣が激しく生い茂り、南側は琉球アサガオが絡むフェンスに囲まれた児童公園がある。そこで南北の耐力壁を二重(構造用合板+105角柱+構造用合板+105角柱+構造用合板)にし、壁倍率を7.5倍(2.5倍+5.0倍)とすることで大きな開口を開けた。そして二重壁の内外で開口形状を変えることで、北側は横2.2m×縦3.6mの大きな窓を、南側は直径2mの丸窓を設けた。これら南北2つの特徴的な窓をもった階段室と南室に挟まれた約4m角の立方体の広間。この広間を通常の暮らしとは少しだけ違う幾ばくかの高揚感を得られる空間とし、サロンや音楽室などに使用する。 外観は壁も屋根も雨樋も赤。それは周辺の緑に対して補色の赤であり、別邸であることの特別感としての赤であり、古い町並みに馴染むための赤である。この赤い家が慣習的な風景に変わりつつある街にいい影響を与える。そんなストーリーを想い描いている。

A secondary house for a mother and a daughter. The site is in an old castle-town in Osaka. On the north side there are garden trees across the street and on the south side there is a children’s park. So we proposed the large window on the north high side and the circle window on the south high side. We can get an uplifting feeling in the main room – 4m cube – sandwiched by the stair room and the south room. All exterior elements are red. Red is a complementary color to the surrounding green and fit the house in the castle-town.

赤い別邸 / Red house

Date : 2014.10
Type : House
Location : Toyonaka, Osaka
Floor : 71.10㎡
Consultant : RYOTARO SAKATA Structure Engineers
Contractor : Shintoukensetsu
Photo : Yasushi Ichikawa
Press : 新建築住宅特集 2015年6月号, art4d No.221

渋谷ヒカリエの8/ ART GALLERY/ 小山登美夫ギャラリーで開催された建築のグループ展「happy talking」の展示作品です。

*展示について –建築とアートの境界を行き来する–

建築の展示とはどうあるべきか?現代美術のギャラリーで行う建築展はどうあるべきか?コマーシャルギャラリーで建築家が展示を行う意味とは?これらのことを出発点に、模型や図面、竣工写真で建築そのものを説明するという従来的な建築展ではない、この場所ならではの建築展のあり方を模索しました。 まず、私たちが日頃扱っているものの中で、自立したオブジェクトになり得るものとして、模型を展示することにしました。3つの小さな住宅の1/30模型は、敷地や周辺環境といった条件の説明を削ぎ落とし、モノとして見せることにしました。そして、それらの3つの住宅をモチーフに、「N邸」は杉戸洋さん、「赤い別邸」は桑久保徹さん、「オイルハウス」は山本桂輔さんに絵を制作していただきました。それらの絵は、私たちでは気づかなかった建築の一面を見せてくれたり、これまでなかったイメージを沸かせてくれたりしました。きっと観る人は模型の世界と絵の世界を行ったり来たりすることで、何かに気付き、理解を深めていけるのではないか。従来的な表現方法では難しかった、建築のモノとしての質や空間の質を伝えることにもつながるのではないかと考えました。 今回展示した絵と模型はプライスを付け、販売を行いました。さらに、手のひらにちょこんと乗るサイズの精密な1/300模型を3Dプリンターで製作し、気軽に購入できる価格で販売しました。 建築とアートをセットで展示し販売すること。このことによって、建築展の一つのあり方を提示し、建築とアートの距離を少しだけ縮めることができたとしたらうれしいです。

*3つの小さな住宅について

展示している3つの住宅は、延床面積70㎡、木造の2階建てという小さな住宅です。これらの住宅は、共通して「同じものが2つあること」から設計がスタートしています。 「N邸」はシンメトリーな平面と断面を持ち、全く同じ2つの部屋をつくることで、機能に束縛されない自由な空間をつくっています。「赤い別邸」は、向かいの家の豊かな緑を取入れるために正面には大きな四角い窓を、裏の公園側には光と風を取入れる丸い窓を開けています。それらの2つの窓際に挟まれた部屋は、守られ落ち着いた居場所になっています。「オイルハウス」は、階段で2等分した矩形の平面を、1階と2階で反転させ、それら2つのフロアを行き来することで広がりを感じられるようになっています。 小さいことは不自由なことではなく、むしろ濃密で豊かなものになりえるのではないか。今、私たちはそんなことを考えています。

happy talking

Date : 2014.4.16-28
Type : Exhibition
Location :8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery , Tokyo
Promoter : Tomio Koyama Gallery
Photo : Kenji Takahashi, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
Press : architecturephoto.net, japan-architects ブログ

郊外住宅地のとある丘の裾野近くに建つ住宅である。敷地の西には静かな住宅地が丘の上に向かって広がり、東には谷に沿って幹線道路が走り、遠くまで見通せる。東西ふたつのリビングには3方に連続する窓がある。その窓から、両側の風景や音、空気感を家の中に採り込みないまぜることで、どちらの世界とも異なる、この場所ならではの自由な雰囲気をつくっている。この家は平面も断面もシンメトリーになっている。エントランスもベッドルームもふたつのリビングもまったく同じ広さだ。そのため、冬は西のリビング、夏は東のリビングというように、季節によって居心地よい場所に生活の中心を移動する。おのおのの行為に適切な広さの空間を与えるのではなく、複数のスペースとそのつながりを設計することで、自由な使い方が発見されている。この住宅では、シンプルなプランの中に、建築とその周辺のあらゆる要素をバランスよく存在させることで、自由で心地よい空間をつくることを試みている。

It is a house built on the foot of a hill in a suburban residential area near Tokyo. On the west side, a quiet dense residential area spreads toward a hill top. On the east side, the trunk road is running along the valley, so you can see a distance. The house has two living rooms on the east and west side of the second floor. The both living rooms have consecutive windows in three directions. From the windows, you can see the sceneries, hear the variety of sounds, feel the different atmosphere, and they are mingled together. It makes the place a totally different world from outside world. In this house, the plan and the section are symmetry. The entrance, the bedroom, and the two living rooms are completely the same size. Therefore the resident can create a new way of life there. For example, the center of the life is shifted to comfortable place in the house according to seasons, such as the west living room in winter and the east living room in summer. In this simple planning, we expect that the house and the surroundings exist with balance which the resident feels comfortable.

N邸 / N house

Date : 2013.3
Type : House
Location : Kawasaki, Kanagawa
Floor : 78.30㎡
Consultant : ladderup architect
Contractor : Kumai Shouten
Photo : Shinkenchikusha
Press : 新建築住宅特集 2013年7月号, TOTO通信2014年春号, JA 94

大阪の都心に建つサービス付き高齢者向け集合住宅の計画。敷地の西には古くから水運となっている安治川が流れ、倉庫が立ち並ぶ、大阪の物流拠点の一角にある。地域のシンボルとして最上階に農園を設け、集合住宅の居住者が自由に使える庭を提供するとともに、イベントの際には周辺地域の住民にも解放される。また、RC造の構造体は木型枠でコンクリートを打ち、その型枠を仕上げ材として使用している。型枠を仕上げとして利用することを想定して、建物のデザイン、形、寸法を決定している。プログラムとしては、福祉サービスの地域拠点を併設し、居住者はもちろんのこと、周辺住民にも 訪問・デイケアのサービスを提供している。本計画では、新しい住まいの形であるサービス付き高齢者向け集合住宅のモデルのひとつとして、「集合住宅」「福祉サービス提供拠点」「コミュニティスペース(農園)」の3つのプログラムを複合することを提案している。そうすることで、人やサービスの流れをつくり、居住者にとっても地域住民にとっても豊かな生活の場をつくることを試みている。

This is an elderly housing with supportive service built in the center of Osaka city. The site is located at the corner of the distribution area in Osaka which has a row of warehouses. On the west site, the Aji River flows as a water transportation for years. We proposed a small farm on the top floor as a symbol of the area. It is opened for the residents of the care house, and also opened for neighbors at events. The structure of reinforced concrete used wooden form frames, and the frames are also used as finishing materials. We designed the plan, the form and the sizes thinking to reuse the frames as other parts of the building. Besides the care programs, this housing has supportive service for residents and also has visiting and day care services for neighbors. By the way, an elderly housing with supportive services is a new housing style for elderly in the past few years in Japan. In this project, we proposed three programs, “an apartment housing for elderly”, “social welfare services for community”, and “a community space (a small farm)” to be flat value as the model of these housing. As the result, the care house may make the residents and neighbors happy, and also the flow of people and services give a good influence for community.

C&W

Date : 2013.1
Type : Elderly housing with supportive service
Location : Osaka
Floor : 2,078㎡
Consultant : RYOTARO SAKATA Structure Engineers
Image : mtka, Kai Shinomoto

多摩川近くにある築10年あまりの戸建住宅の改修です。改修といえば、床、壁、天井に手を加えることで全く別のものに仕立てる手法が一般化していますが、そうではない改修のあり方があるのでは、と考えました。植物の栄養繁殖の技法に「接ぎ木」という技法があります。植物体の一部分を他の個体に接着し両者を癒合させることで植物の成長を促す技法です。この改修では、建築に建築を「接ぎ木」することで、その見えと価値を改修することを試みました。具体的には、プロヴァンス風住宅という強い個性をもった建物に、別の強い個性をもったプランターテラスとプランター庇を「接ぎ木」しています。そうすることで、これまで一見キッチュに見えていた建物をまったく別の見えと価値をもったものにしています。建物に合わせる植物として、サボテンをメインとした多肉植物を選びました。そして芝生のように見える緑色の石を敷きました。このテラスは、家の出入りの際にいつも目に入ります。そして、家族が集まるリビングの窓から見える風景もまた、植物たちによって改修されています。

It is a renovation of the 10 year-old-house near Tama River in Tokyo. In terms of the house renovation, a technique completely made for another – by reforming a floor, a wall, and a ceiling – had become common, but we believe that there must be another method. The technique grafting is a method of vegetative propagation of plants to promote the growth by patching in other plant’s bodies. It’s called ‘tsugiki’ in Japanese. In this case, we tried to renovate an appearance and a value of the house by “tsugiki”. Specifically, We ‘tsugiki’ the planter terrace and eaves those two have the strong individualities for this house which also has another strong individuality like a Provence Style. And We planted the succulent plant and spread the painted green stone to make the terrace a lawn look. This terrace is always opened for family and people who stop by. As a result, the house changed totally different from kitsch style in the past, and the scenery from the living room also had dramatically changed by the plants.

tsugiki

Date : 2012.11
Type : House
Location : Setagaya,Tokyo
Floor area : 95.80㎡
Consultant : Qusamura, RYOTARO SAKATA Structure Engineers
Contractor : Kumai Shouten
Photo : mtka
Press : 新建築住宅特集 2013年5月号

北九州市の緑地公園内に建つ公衆トイレの計画。広大な敷地の中に樹木が林立するように佇み、見る角度によって様々な表情を見せるトイレを提案した。 二等辺三角形の平面外形の中に大小さまざまな7つの二等辺三角形のボリュームを収めている。駐車場のある東側はコンクリート打放とし、西側はその型枠をそのまま反転して仕上げとして利用、南側はツタ植物が這う緑の壁としている。それぞれの面は、駐車場のアスファルト、木チップの歩道、立ち並ぶ樹木という近くの風景に呼応する仕上げとなっており、まるでカメレオンのように振る舞っている。 環境モデル都市北九州市にふさわしいトイレとして、コンクリート型枠の再利用、間伐材の利用、円筒形を利用した温度差換気による換気設備の不設置などを提案し、ゼロエミッション化を目指している。

This is a project of a public lavatory which will be built in the green tract of land park in Kitakyushu-shi. We propose the toilet stands like trees nestles together in a vast site. It has various faces from the different angles. We apply seven various sizes of isosceles triangles inside a big isosceles triangle frame. The finishing materials on the west side wall, which faces a parking lot, is concrete finish. On the east side wall, which faces the sidewalk of a wood chip, we reuse the wood concrete formworks used on the west. On the south side wall, which faces trees, the ivy plant crawls. Then Each materials responds to the nearby scenery. They appear just like a Chameleon. With the technical aspect, we propose reuse of concrete formworks, use of thinner timber and non-setting of the ventilation equipment by using chimney effect, aiming at Zero Emission. We considered this lavatory is suitable for Kitakyushu-shi as the environmental model city.

KITAKYUSHU PARK LAVATORY PROJECT

Date : 2010.8
Type : Lavatory
Location : Kitakyushu, Fukuoka
Floor area : 85.85㎡
Image : mtka

逗子市第一公園の再整備計画。体験学習施設の新設、老朽化したプールの再整備を中心に、公園全体の再整備が求められた。天候や季節に関わらず、幅広い世代が一年中活用できるような公園を提案した。 中高生が利用する体験学習施設は、放課後や休暇中に友人と自由に時間を過ごせるように、活動の場としての「広場」と居場所・出会いの場としての「コリドー」から構成される。テンション構造を利用した二重膜の屋根をもち、柔らかな光の落ちる大空間を実現しつつ、膜屋根内部は環境調整装置として利用されている。天候に関わらずアクティブに利用できる場所をつくった。 屋外プール施設は、「ランドスケープとしての屋外プール」をコンセプトに、公園のランドスケープと連続するようなプールサイドとし、通常、夏期にしか使われることのない屋外プールを、子供広場と一体となって通年で遊び場として利用できるようにした。

This is a park re-modeling project in Zushi. The park requires to have a new recreation center and to renovate the current pool. We proposed a plan in which a wide generation could utilize all year round regardless of the weather. The recreation center, which junior and senior high school students use, has “open spaces” as places of activities, and “corridors” as places to stay and meeting new people. They can spend time free with their friends after school and during vacation there. And it has a wide roof of double membranes using tension structure, and the inside of the roof is used as an environmental management equipment, soft natural light is coming through. Also, we proposed an open-air swimming pool side, which has a concept of “a swimming pool as a landscape”, continuous space with the park. As a result, the pool, usually used only for a summer, can be used in all year with next children’s playground.

ZUSHI PARK PROJECT

Date : 2010.6
Type : Recreation center, Pool
Location : Zushi,Kanagawa
Floor area : 2,056㎡
Consultant : Jun Sato Structural Design Office, ESA
Image : mtka